2008年01月04日

「一度」ふたたび

なかなかに頭を悩ませる問題になりつつある。

何となくではあるが、「一度」系列の場合(すなわち、二度、三度、etc.)、鬼司令の示唆的なコメントにもあるように定量的で、あくまでも、中心たる動詞の修飾語に留まっているのに対し、「ひとたび」系列(ふたたび、みたび、etc.)は、慣用的であることによって(よたび、いつたび、とはあまり言わない)、「一度」系列よりも意味の比重が大きいと思う。

また、

容疑者は二度現場に姿を現した。

容疑者はふたたび現場に姿を現した。


という例文からもわかるように、「一度」系列を用いた場合、「二度目」を用いる文にしないと一度目が含まれてしまうのに対し、「ひとたび」系列は、それだけで一回の行為のみを指示することができる。(再び、という書き方があるのもそのためか?)

だが、「一度」と「ひとたび」に限るならば、

一度口にすれば、誰もがその味の虜になる

ひとたび口にすれば、誰もがその味の虜になる


この二つの文に大きな意味上の違いは感じられない。使い分けは、やはり慣用的なものなのだろうか。もう少し考えるとしよう。



Posted by テン at 16:11│Comments(0)
 
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